「大池市民の森」のあゆみ
大池は上池、中池、下池、八幡林地からなり、その歴史は古く三峰山の地すべり的崩壊によって凹地が形成され、
そこに湛水した湖沼を明暦年間(西暦1655〜1658)に築造され文政元年(西暦1818年)に八幡林地が築造し、
貯水量26万トン有している。古来より「田毎の月」で名高い下流八幡地域の水田の潅がい農業用水源として利用されている。
大池一帯の地形は、フォッサマグマ中央山地の大起伏山地と傾斜8〜20°の山麓地に分類される。
地形的には三方を囲まれたすり鉢状の地勢となっており、その底部に大池(上池、中池、新池)が段状に水面を形成している。
大池を取囲む斜面は急峻な地形を呈し、特に大池西部の三峰山頂からゴルフ場にかけての斜面は40°以上の急峻な地形となっている。
地形形成的には十数年前に大池と聖高原の聖湖との間に聳える三峰三東斜面の地すべりによって形成されたもので、
さらにその上部に立山火山帯からの火山灰が堆積したと推測され、再び3万年前と3千年前に地すべりが発生して現在の地形が形成され、
地すべり土塊は下流の姨捨方面に土石流となって流下し、姨捨駅東方の長楽寺境内に流送された姨石(凝灰角礫岩)によって確認される。
地質は三峰火山岩はおおよそ500万年前の火山活動で噴出した安山岩溶岩であり、
大池周辺および姨捨方面にかけて分布する土石流堆積層は安山岩礫を多量に含む姨捨土石流である。
気候は、千曲市(更埴市)の平均気温が12.6℃、平均降水量651.4mm、平均積雪日数12.4日、平均湿度63.3%。平均風速1.8m/sで、
裏日本型気候区(日本海側)と表日本型気候区(太平洋側)のほぼ境界域にあり、複雑で変化の多い気候で気温の較差が大きく、
降水量も年平均1,000以下と少なく、乾燥している。降雪は「乾き雪」と「湿り雪」の2タイプを持ち、1月に最深積雪記録が多く積雪量は60cm前後である。
土壌は、大池湖畔周辺に黒色森林土が分布し、それを取囲むように褐色森林土壌が分布する。
植生は標高740〜1,130mに位置しており、潜在植生はブナクラス域代償植生カスミサクラーコナラ群落に相当するが、
新たに代償植生としてカラマツ・スギ・ヒノキが植林された。大池周辺は日本海型の植物と太平洋型の植物と混生している。
鳥獣類は、大池周辺の動物はキツネ・タヌキ・アナグマが生息している。鳥類は貴重種として、オオタカ・コアジサシがいる。
昆虫類は約86種が確認され、このうち貴重種ではクロヒカゲ蝶も含まれている。
水利は2水利があり大池を中心とした湧水地(弁天湧水)を水源とし、森林によって育まれた湧水が上池に注いでいる。
施設は上池を中心に整備され、林道大池線の南側に昭和61年に「大池自然の家」が建設され教育委員会所管の宿泊研修施設(240名収容)で、
自然体験等の拠点として利用されている。また、上池湖畔の南側一帯は昭和52年に指定された林業構造改善事業により大池総合森林施設(市民の森)として
テニスコート・キャンプサイト・バンガロー施設・フィールドアスレチック広場などが整備された。
また、平成24年4月1日(日)から民間活力を生かした指定管理者制度により指定管理者株式会社 森選組が管理運営を致しております。